椙山女学園大学現代マネジメント学部水野英雄ゼミが考える「大学生の得するお金と生活知識」

 

・社会人になってから、学生時代に学んでおいた方がよかったと思うことは「お金に関すること」というアンケート結果があります。しかし、全ての大学でお金に関することが十分に教えられている訳ではありません。

出典:わんぱく教育カンパニー「516名にアンケート 後悔する?学生時代に学んだ方が良かったことは「英語」と「お金の知識」」2023124日掲載、202329日更新

https://www.meigakukan.co.jp/media/questionnaire/

・大学生になるとお金との関わりが増えます。皆さんに知ってもらいたいお金の話と生活の知識を紹介します。

・大学生にとって大切なものは、時間とお金です。4年間は長いようであっという間に過ぎていきます。計画的に取り組んで下さい。

・お金を管理するためには、@効率的に必要な額を稼ぐ、A無駄な支出を減らすことが必要です。そのために経済や金融の知識が必要になります。

・経済や金融に関しては多くの教材がありますが、量が多くて、なかなか読み切ることができません。実際に得になることから、@使う順番に、A最低限の解説でまとめました。

 

初期学習用詳細学習用があります。それぞれPDFになっています。ダウンロードして使用して下さい。

以下の内容は初期学習用です。

 

1.学割  

・学割は学生に対する割引です。1020%程度の割引となり、お得です。

・学割は交通機関、宿泊、美術館や博物館、映画館の入場料、自動車学校など、幅広くあります。

 学割の特典を受けるためには学生である証明の学生証が必要です。学生証は必ず携帯しましょう。学生証だけでなく、マイナンバーカードは公的な身分証明になります。

 

2.奨学金・教育ローン

・大学の学費等のために奨学金を借りることができます。

・奨学金は貸与型が多く、教育ローンと同じで借金ですので必ず返済しなくてはなりません。

4年間で数百万円を借りることができますが、利子の有無などの返済の条件に十分に注意が必要です。

参考 独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) https://www.jasso.go.jp/

 

3.アルバイト

・休ませてもらえない、過剰な負担で勉強ができなくなるといったことがないように、最低限の時間で効率的に、必要な額を稼ぐようにして下さい。

・年間の収入を103万円以下にした方が、親の扶養控除を外れない、自分で税金や社会保険料を払わなくて済むというメリットがあります。

 

4.銀行

・銀行に口座を開くと、アルバイトの収入の振込やクレジットカードの引き落としなどができます。

・預金には、いつでも自由に預け入れや引き出しができ財布がわりに使える普通預金と、預け入れ期間を決めて満期まで引き出しができない定期預金があります。

・金利は定期預金が高く、普通預金は低くなります。

貯蓄から投資へ

銀行の預金金利はかなり低い水準です。そのため「貯蓄から投資へ」ということで、資産運用のための 投資が行われます。大学生でも投資はできますが、お金を失ってしまうというリスクと得られる利益であるリターンをよく考えて、余裕資金を、分散投資でリスクを低くして運用することが必要です。

 

5.クレジットカード・ポイントカード

・クレジットカードは現金がなくても買い物ができ、支払は12か月後に銀行口座から引き落としになります。便利ですが、支払いが先になることや手数料(約10%)がかかることで支払額を把握しにくくなります。

・多額の現金を持ち歩かなくて済むことで盗難のリスクが低くなります。特に、海外旅行では安心です。

・不正使用をされないように、信用できない店では使わない、疑わしいネットショップでは使用しないで下さい。

・分割払いでなく1回払いとし、高額な手数料を払わないで済むようにし、かつ、使い過ぎを防いで下さい。

・カードを選ぶ際には、年会費無料や効率的にポイントが貯まること、附帯する保険などを考慮して選んで下さい。

キャッシュレス化が進み、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などが必須となっています。現金と違って使った額の把握がしにくいので、計画的に使用して下さい。

 

 

6.保険

・保険は病気や怪我、事故に遭った時に、高額な医療費などの負担をしなくて済むための補償です。保険料を支払う必要があります。

・病気や怪我のための医療保険・傷害保険、交通事故に備える自動車保険・バイク保険、一人暮らしの部屋のための火災保険などがあります。

・自分の責任で事故を起こした際に、保険に入っていないと補償しきれなくなる場合があります。

・高額な補償を受けるためには高額な保険料を支払う必要があります。バランスを考えて、必要最低限の保険に入るようにして下さい。

 

7.年金

・年金とは、老後のための資金を若いうちに準備する積み立てのことです。

20歳になると国による年金である国民年金に加入することになり、毎月年金保険料を払うことになります。

・学生は、学生納付特例制度を申請することで在学中の保険料の納付が猶予されます。学生納付特例制度で猶予された保険料は、追納によって10年以内であれば保険料をさかのぼって納めることができます。

・追納をしなければ、学生納付特例制度の対象になった期間の分だけ受け取れる年金の金額が減ります。社会人になって早い段階で余裕がある時期に追納しておくことで減額を防ぐことができます。

・保険料を6ヶ月分・1年分・2年分をまとめて納める前納という制度があります。前納では保険料が割引になり、かつ口座振替で前納するとさらにお得になります。

年金や保険には、国が運営する公的年金や公的保険と民間企業等が運営する私的年金や私的保険があります。公的な年金や保険は最低限の補償であり、不足すると考える部分を私的な年金や保険で補います。

 

8.税金

・商品やサービスを購入する際に支払う消費税や給与等の所得に対して課税される所得税など、多くの税金があります。

・税金を納めないことは脱税として重く罰せられます。一方で、国が認めた方法で税金を安くできる節税もあります。

 

9.ネットによる詐欺やSNSでの発言への責任

・インターネットを利用した詐欺が多発しています。ホームページやメールが少しでも疑わしいと思ったら、十分に疑って、慎重に対応して下さい。

SNSには多くの情報があり、正しく利用すれば割引等のお得な情報を得られます。但し、目的もなく長時間見ること本来すべきことに充てる時間を浪費しないで下さい。

SNSでの発言は内容によっては誹謗中傷になり、損害賠償を求められるリスクがあります。投稿する前に慎重に確認して下さい。

 

10.その他

・4年間の大学生活はあっという間に過ぎていきます。大学生のうちにしておくべきこと(学業、資格、インターンシップ、趣味、旅行、アルバイト)は多くあります。将来の目標の実現のために、しっかりしたライフプランを立てて、計画的に取り組みましょう。

・自動車の運転免許は時間がある大学生のうちに取っておくべきです。(就職の面接でも聞かれます。)その他の資格も同様です。

・時間を無駄にしないためには、ちょっとした時間を節約しましょう。例えば、レジでの決済に使う時間をキャッシュレス化で節約する、通学時間で勉強することで有効に使うことができます。(機会費用の考え方)

・大学生で起業を目指す人も増えています。起業のためには「誰に、何を、いくらで、どのように売るか」を考えて、しっかりとした事業計画を立てます。資金は融資やクラウドファンディングで調達します。

・世界の人口が増加する中で、資源やエネルギーの節約や、廃棄物の削減が必要です。SDGs(持続可能な開発目標)の実現のために、効果的な節約は、個人にとっても、社会にとってもよいことです。

人生100年時代となり、将来を考えてしっかりしたライフプランを立てることが必要です。人生では多くの選択の機会があります。特に経済的な選択の問題が多く、「あらゆる問題は経済問題」といえます。その選択にはリスクが伴います。リスクを避けるためには、適切な情報に基づいた判断が必要です。適切な判断のために、また、常に新しいものが誕生するので、それに追いついていくために、学び続けていきましょう。

 

引き続き、詳細学習用で学習して下さい。

 

PDFファイルダウンロード

初期学習用  詳細学習用

 

さらなる学習のためには、下記を参考にして下さい。豊富な情報・教材等が掲載されています。

組織名・名称

URL

内容

金融広報中央委員会「知るぽると」

https://www.shiruporuto.jp

金融経済教育全般

日本証券業協会「金融・証券に関する学習情報」

https://www.jsda.or.jp/start/

証券投資に関する内容

全国銀行協会

https://www.zenginkyo.or.jp/

銀行取引に関する内容

生命保険協会「金融・保険に関する学習情報サイト」

https://www.seiho.or.jp/edu/

生命保険に関する内容

消費者庁「消費者教育ポータルサイト」

https://www.kportal.caa.go.jp/

消費に関する取引等

 

2023320日に椙山女学園大学現代マネジメント学部水野英雄ゼミが作成しました。作成時点の情報ですので、常に最新の情報でご確認ください。引用する際は 出典 http://www.mgt.sugiyama-u.ac.jp/mizuno/moneytop.html を明記して下さい。

 

お問合せ先

椙山女学園大学 現代マネジメント学部 准教授 水野英雄

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FAX052-783-6732 

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